庭のお手入れをしていると、お客様のお庭に大きな渋柿の木があって、実がたくさんなっているのに誰も食べずに落ちているのを見かけることがよくあります。もったいないなあといつも思っていました。渋柿は名前のとおり渋いので、そのまま食べると口の中がぎゅっとなって、二度と手を出したくなくなる味です。
私も子供の頃に庭の渋柿を知らずにかじってしまい、しばらく口の中が変な感じになった経験があります。あの独特の渋みは、一度体験すると忘れられないものです。
しかし、この渋柿、実はちょっとした工夫をするだけで、誰でも簡単に甘い柿に変身させることができるのです。今回は、長年庭木と付き合ってきた経験もふまえながら、渋柿を甘くする方法について、できるだけわかりやすくお伝えしていきます。お子さんと一緒に渋抜きに挑戦すれば、きっと喜ばれる自由研究のようなひとときになると思います。
渋柿ってこんなに厄介な果物なんです
甘柿や干し柿は好きだけど、渋柿はちょっと苦手という方は多いのではないでしょうか。スーパーに並んでいる柿はほとんどが甘柿で、渋柿を見かける機会自体が少なくなっています。それなのに、庭や畑にはまだまだ渋柿の木がたくさん残っています。昔からある家のお庭には、代々受け継がれてきた渋柿の木が植わっていることも珍しくありません。
私がお手入れに伺うお宅でも、大きな渋柿の木を持て余しているケースをよく見かけます。「実はなるんだけど、渋くて食べられないから毎年もったいないと思いつつ放っておいている」という声を何度も聞いてきました。せっかく手間ひまかけて実をつけてくれた柿の木なのに、渋いという理由だけで食べずに終わってしまうのは、庭仕事をしてきた者としてもとても残念に感じます。
渋柿は決して悪者ではありません。むしろ渋抜きさえすれば、甘柿以上にねっとりと甘く、濃厚な味わいになる品種も多いのです。渋柿を敬遠している方にこそ、渋抜きの方法を知ってもらいたいと思っています。
私が以前お手入れを担当していたお宅では、庭の隅に大きな渋柿の木が一本だけ植えられていて、毎年秋になると鈴なりに実をつけていました。ご主人に伺うと「祖父の代からある木で、渋柿だから誰も手をつけないんです」とのことでした。せっかく丈夫に育って毎年たくさんの実をつけてくれているのに、渋いという理由だけで収穫もされずに終わってしまう。これはとてももったいないことだと感じました。そこで、焼酎を使った渋抜きの方法をお伝えしたところ、翌年から毎年ご家族で渋抜きを楽しむようになったと、後日うれしい報告をいただいたことがあります。
渋柿の木は、甘柿に比べて丈夫で育てやすく、病気にも強い品種が多いという特徴もあります。庭木としての手入れのしやすさという点でも、渋柿は決して劣っているわけではありません。むしろ渋抜きの方法さえ知っていれば、甘柿以上に頼りになる果樹だと言えるでしょう。
なぜ渋柿は渋いのか、その正体に迫ります
犯人はタンニンという成分でした
そもそも、なぜ渋柿はあんなに渋く感じるのでしょうか。この渋みの正体は、タンニンという成分です。タンニンはポリフェノールの仲間で、柿に含まれるものは特にカキタンニンと呼ばれています。お茶や赤ワインにも含まれている成分なので、名前を聞いたことがある方もいるかもしれません。
このタンニンは、もともとは水に溶ける性質を持っています。柿を食べたときにタンニンが唾液に溶け出し、舌の味覚を刺激することで、私たちは渋みを感じるのです。逆に言えば、タンニンが水に溶けない状態になっていれば、唾液にも溶けないため渋みを感じなくなります。これが渋抜きの大きなヒントになります。
だいたいの目安として、柿に含まれる水に溶けるタンニンの量が全体の0.5パーセントくらいあると渋みを強く感じ、それより少なければ渋みをほとんど感じなくなると言われています。つまり、渋柿と甘柿の違いは、この水に溶けるタンニンの量の違いによって決まっているということです。
面白いことに、甘柿と渋柿は見た目こそよく似ていても、実の中でタンニンがどう変化していくかという性質がまったく違います。甘柿はもともと木になっている間に自然とタンニンが不溶化していく性質を持っているため、収穫してそのまま食べても甘いのです。一方の渋柿は、木になっている間はタンニンが水に溶けたままなので、そのままではいつまでも渋いままです。この違いこそが、渋柿を甘柿にするためにひと手間かける必要がある理由なのです。
渋みを感じる仕組みとは
子供の頃、大人から「柿は渋が抜けると甘くなる」と聞いても、正直なところなぜそうなるのか不思議に思っていました。庭師の仕事をするようになってから改めて調べてみると、これは化学反応のひとつだということがわかりました。
タンニンは、ある物質とくっつくことで水に溶けない状態、つまり不溶化した状態に変化します。この不溶化さえ起これば、口の中で唾液に溶け出さなくなるので、渋みを感じなくなるというわけです。渋柿を甘くする方法は、どれもこの「タンニンを不溶化させる」という仕組みを利用しています。
その不溶化のカギを握っているのが、アセトアルデヒドという物質です。柿の実は生きている間、糖分を分解してエネルギーを作る呼吸という活動を続けています。この呼吸の過程で、酸素が十分にあるときはブドウ糖が最終的に二酸化炭素と水にまで分解されますが、酸素が不足すると、途中の段階であるピルビン酸という物質が分解しきれずにたまっていきます。このピルビン酸からアセトアルデヒドが作られ、それが水に溶けていたタンニンと結びつくことで、タンニンが不溶化していくのです。
つまり、渋柿を甘くする方法というのは、どれも柿をわざと酸欠状態に近づけて、柿自身の力でアセトアルデヒドを作らせる工夫だと言えます。アルコールを吹きかけるのも、冷凍するのも、皮をむいて干すのも、目的はすべて同じなのです。この仕組みを知っておくと、どの渋抜き方法も納得しながら試すことができると思います。
実は渋柿は簡単に甘くできるんです
ここまで読んでいただくと、渋柿の渋みの正体と、渋が抜ける仕組みがなんとなくイメージできてきたのではないでしょうか。実は、この仕組みさえ理解してしまえば、渋柿を甘くする方法はとてもシンプルです。難しい機械や特別な薬品は一切必要ありません。ご家庭にあるもので、今日からでも渋抜きに挑戦することができます。
渋抜きの基本的な考え方は、柿の呼吸を抑えることで、体の中にアセトアルデヒドという物質を作り出し、それがタンニンと結びついて不溶化させるというものです。アセトアルデヒドは刺激臭のある液体で、柿自身が酸欠状態になったときに体の中で自然に発生します。アルコールを使う方法も、冷凍する方法も、干す方法も、すべてこの仕組みを利用して渋を抜いているのです。
それでは、具体的な渋抜きの方法をいくつかご紹介していきます。ご家庭の状況や好みに合わせて、やりやすい方法を選んでみてください。
誰でもできる渋抜きの方法をご紹介します
焼酎を使った渋抜き(もっとも定番の方法)
昔からもっともよく行われているのが、焼酎を使った渋抜きです。度数25度前後のホワイトリカーなどの焼酎を使うのが一般的です。
まず、柿がすっぽり入るくらいの段ボール箱を用意し、その中に大きめのビニール袋を敷きます。柿のヘタを上にして、袋の中に一段ずつ並べていきます。並べ終わったら、霧吹きを使って柿のヘタの部分を中心に、焼酎をしっかりと吹きかけます。二段目を重ねる場合も同じように並べて、焼酎を吹きかけます。
すべて並べ終わったら、ビニール袋の口を輪ゴムなどでしっかりと縛って密封します。あとは冷暗所に置いて、10日前後じっくり待つだけです。日数が経つと、柿がやわらかくなり、渋みが抜けて甘くなっていきます。私が実際にお客様のお宅で見せてもらったときも、ちょうど10日ほどでとろりとした甘い柿になっていて、驚いた記憶があります。
使う焼酎は、度数25度前後のホワイトリカーが定番です。度数が低すぎると渋が抜けきらないことがあるため、できるだけ25度以上のものを選ぶのがおすすめです。渋抜きした柿は、常温で数日、冷蔵庫に入れればもう少し長く保存できますが、やわらかくなっているぶん傷みやすいので、なるべく早めに食べきるようにしましょう。
似たような原理を使った方法として、ドライアイス(二酸化炭素)を使う渋抜きもあります。柿を密閉できる袋や容器に入れ、ドライアイスと一緒に密封しておくと、袋の中が酸素不足の状態になり、柿の呼吸が抑えられて渋が抜けていきます。焼酎のようなアルコールのにおいが苦手な方には、こちらの方法も選択肢のひとつになるでしょう。ただし、ドライアイスの取り扱いには注意が必要ですので、素手で触らないようにするなど、安全には十分気をつけてください。
干し柿にして渋を抜く方法
干し柿も、渋柿を甘くする代表的な方法のひとつです。干し柿を作るときのポイントは、干す前に必ず皮をむいておくことです。皮をむくことで、柿の表面に薄い膜のようなものができ、これが酸素を通しにくくします。すると柿は呼吸ができなくなり、体の中にアセトアルデヒドがたまって渋が抜けていくのです。
皮をむいた柿はヘタの部分にひもを結び、風通しのよい軒下などにつるして干します。天気の良い日が続けば、2週間から1か月ほどで甘くねっとりとした干し柿になります。途中でカビが生えないように、最初の数日はときどき焼酎で表面を拭いてあげると安心です。

干し柿作りをするときの時期にも気をつけたいところです。気温が高いうちに干し始めるとカビが生えやすくなるため、朝晩が冷え込んでくる時期、だいたい11月頃から始めるのが安心です。枝を少し残した状態で収穫し、枝にひもをかけて干す方法が昔ながらのやり方ですが、枝が取れてしまった柿でも、ヘタの部分に竹串を刺してひもを通したり、ネットに入れて干したりすれば問題なく干し柿にすることができます。
また、干し柿作りが初めての方には、柿を薄くスライスして干す方法もおすすめです。丸ごと干すよりも早く乾燥するため、数日から1週間ほどで食べられるようになります。フードドライヤーを使えば、天候に左右されずに安定して仕上げることもできます。オーブンの低温設定を使って乾燥させる方法を試している方もいらっしゃいますが、焦げやすいので様子を見ながら行うようにしてください。
冷凍を使った渋抜き
もっと手軽に渋抜きをしたいという方には、冷凍する方法もおすすめです。渋柿を丸ごと、または食べやすい大きさに切ってラップに包み、冷凍庫でしっかり凍らせます。凍らせることで柿の細胞が壊れ、タンニンの構造が変化して渋みを感じにくくなります。
ただし、冷凍だけでは完全に渋が抜けきらないこともあるため、半解凍のシャーベット状で食べたり、他の渋抜き方法と組み合わせたりするとより安心です。冷凍がうまくいかず渋みが残ってしまったという声もときどき耳にしますので、心配な場合は焼酎を使う方法と併用するとよいでしょう。
冷凍で渋抜きに失敗してしまう主な原因は、冷凍する時間が短すぎることです。表面だけ凍っていても、中心部分までしっかり凍らせないと渋みが十分に抜けません。冷凍庫に入れてから最低でも半日、できれば丸一日はしっかり凍らせるようにしてください。凍らせた柿は自然解凍してそのまま食べるほか、少し溶けかけたシャーベット状のうちに食べると、ひんやりとした食感も楽しめます。子供のおやつとしても喜ばれる食べ方です。
冷凍した渋柿は、そのまま食べるだけでなく、解凍してからジャムにするのもおすすめです。冷凍することで柿の繊維が壊れているため、加熱したときに崩れやすく、なめらかなジャムに仕上がりやすいという利点もあります。冷凍庫のスペースに余裕があれば、収穫した渋柿をまとめて冷凍しておき、食べたいときに少しずつ解凍していくという使い方も便利です。旬の時期にたくさん収穫できたときの保存方法としても役立ちます。
お湯や電子レンジを使った渋抜き
急いで渋を抜きたいときには、お湯や電子レンジを使う方法もあります。柿のヘタの部分に焼酎を少し染み込ませてから、40度前後のお湯に一晩つけておくと、渋が抜けやすくなります。
電子レンジを使う場合は、柿に竹串などで数か所穴をあけてから、様子を見ながら短い時間ずつ加熱していきます。加熱しすぎると柔らかくなりすぎてしまうので、少しずつ様子を見ながら行うのがコツです。時間がないときの応急的な方法として覚えておくと便利です。
渋柿の見分け方
渋柿と甘柿は、見た目だけではなかなか区別がつきにくいものです。品種によって形や色に違いはありますが、確実な見分け方は、実際に少しかじってみることです。もちろん自宅の庭木で品種がわかっている場合は別ですが、初めて見る柿の場合は、収穫した実を少しだけ切って果肉を確認してみましょう。
甘柿は果肉の中に黒い小さな点(ゴマと呼ばれます)が多く見られることがありますが、渋柿にはこのゴマがほとんどないことが多いです。ただし絶対的な基準ではないため、心配な場合は少量を口に入れて確認するのが一番確実です。

木になった状態での見分け方としては、葉の形や実のつき方に品種ごとの特徴がありますが、素人目にはなかなか判断がつきにくいものです。私自身、庭木の剪定に伺った際に「この柿の木は甘柿ですか、渋柿ですか」とよく聞かれますが、正直なところ、実際に食べてみないと確信が持てないことも少なくありません。心配な場合は、無理に食べずに、まずは小さく切って果汁を舌先で確認してみるのが安全です。
渋柿の収穫時期は、品種にもよりますが、だいたい10月から11月にかけてが目安です。実の色が青みを帯びた状態からオレンジ色に変わり、少し柔らかさを感じるようになった頃が収穫のタイミングです。あまり早く収穫すると渋抜きをしても甘くなりにくいことがあるため、色づき具合をよく観察してから収穫することをおすすめします。木になったまま熟れすぎてしまうと、渋は自然に抜けていきますが、実が柔らかくなりすぎて傷みやすくなるので、こまめに様子を見てあげるとよいでしょう。
渋柿にはいろいろな品種があります
渋柿と一口に言っても、実はたくさんの品種があります。西条柿や蜂屋柿、平核無(ひらたねなし)などは干し柿用として全国的に有名な品種です。地域によっては、庭木として長年受け継がれてきた在来の渋柿もあり、それぞれ実の大きさや甘みの出方に個性があります。私がこれまでお手入れしてきたお庭にも、名前のわからない古い渋柿の木がいくつもありました。その土地ならではの渋柿と出会えるのも、庭仕事の楽しみのひとつです。
品種によって実の大きさも大きく異なります。大きな実をつける品種は渋抜き後にジューシーで食べごたえがあり、小ぶりな品種は干し柿にしたときに甘みが凝縮されやすいという特徴があります。渋柿の苗木を新しく植えたいという方は、育てる目的、たとえば渋抜きしてそのまま食べたいのか、干し柿を作りたいのかによって、品種を選ぶとよいでしょう。地域の農協や園芸店で相談すると、その土地の気候に合った品種を紹介してもらえることもあります。
なお、渋柿は市場やインターネット通販でも購入することができます。10キロ単位で販売されていることが多く、渋柿の大きさにもよりますが、10キロでだいたい30個から50個前後になることが多いようです。値段は品種や産地によって幅がありますが、干し柿用としてまとめ買いする方も多く見られます。庭に渋柿の木がない方でも、旬の時期には購入して渋抜きを楽しむことができます。
渋抜きした柿の活用法
渋を抜いた柿は、そのまま食べるのはもちろん、ジャムにしても美味しくいただけます。渋抜き後の柔らかい柿を鍋で煮詰めるだけで、優しい甘さのジャムが出来上がります。ただし、渋抜きが不十分なまま加熱すると渋みが戻ってしまうことがあるので、しっかり渋が抜けたものを使うようにしましょう。
そのほかにも、柿酢や柿を使ったお菓子作りなど、渋柿はいろいろな料理に活用できます。渋柿は「柿が赤くなると医者が青くなる」と昔から言われるほど栄養価の高い果物です。ビタミンや食物繊維も豊富に含まれているので、渋抜きさえすれば家族みんなで安心して楽しめる食材になります。食物繊維が多いことから、お通じの調子を整えたいという方にも親しまれてきた果物です。
また、渋柿ならではの活用法として、渋が抜ける前の状態で作られる柿渋があります。柿渋は昔から染物や塗料として利用されてきた伝統的な材料で、防水性や防虫性があることでも知られています。近年では、この柿渋の成分を活かしたボディソープやシャンプー、石鹸なども販売されており、体臭が気になる方や、足のにおいが気になる方向けの製品として注目されています。渋柿と聞くと食べ物のイメージが強いかもしれませんが、暮らしのさまざまな場面で役立てられてきた奥深い果物なのです。
よくある質問
Q1:渋抜きした柿はどれくらい日持ちしますか。
A1:焼酎で渋抜きした柿は、冷蔵庫で保存すれば1週間ほどが目安です。干し柿にした場合は、しっかり乾燥させることで数週間から数か月保存できるようになります。
Q2:渋抜き中に渋が戻ってしまうことはありますか。
A2:渋抜き後にしっかり加熱したり、保存状態が悪かったりすると、まれに渋みが戻ることがあります。渋抜き後はできるだけ早めに食べきるか、冷凍保存しておくと安心です。
Q3:渋柿の木を甘柿の木に変えることはできますか。
A3:渋柿の木そのものに甘柿の枝を接ぎ木することで、同じ木から甘柿を収穫できるようになる場合があります。ただし専門的な技術が必要になるため、興味のある方は経験者に相談しながら挑戦することをおすすめします。
Q4:渋柿を渋抜きせずにそのまま食べてしまったらどうなりますか。
A4:渋柿を渋抜きせずに食べても、体に大きな害があるわけではありません。ただし強い渋みで口の中がぎゅっとする不快な感覚が残ります。もし口の中に渋みが残ってしまった場合は、水や牛乳を飲んだり、甘いものを食べたりすると多少和らぎます。渋柿には毒性はありませんが、渋みそのものが苦手な方が多いというだけですので、安心して渋抜きに挑戦してみてください。
Q5:渋抜きした柿を子供と一緒に楽しむにはどうすればよいですか。
A5:渋が抜けていく様子を観察するのは、子供にとって理科の実験のような面白さがあります。焼酎を使う方法は大人が管理する必要がありますが、冷凍や干し柿づくりは子供と一緒に取り組みやすい方法です。渋みが甘さに変わっていく変化を、日をおって一緒に確認してみると、良い自由研究のテーマにもなります。
まとめ
渋柿は、その名前のイメージから敬遠されがちですが、渋みの正体を知り、正しい方法で渋抜きをすれば、誰でも簡単に甘い柿として楽しむことができます。タンニンが不溶化する仕組みさえ理解すれば、焼酎を使う方法でも、干し柿にする方法でも、冷凍する方法でも、それぞれの家庭に合ったやり方を選ぶことができます。
長年庭木のお手入れをしてきた立場から見ても、渋柿の木は手入れさえきちんとしていれば毎年安定して実をつけてくれる、頼もしい存在です。渋いからといって収穫をあきらめてしまうのは、本当にもったいないことだと感じます。今回ご紹介した渋抜きの方法は、どれも特別な道具や技術がなくても始められるものばかりです。まずは焼酎を使った方法か、冷凍という一番手軽な方法から試してみるのがおすすめです。
もし庭に渋柿の木があって、実を持て余しているという方がいらっしゃったら、今年はぜひ渋抜きに挑戦してみてください。お子さんと一緒に取り組めば、渋みが甘さに変わっていく不思議な変化を、楽しい体験として共有することができると思います。渋柿を上手に活用して、実りの秋をより豊かに過ごしていただけたら嬉しいです。